GWの雷鳥沢でテント泊
2017年5月3日(水)
地獄の年度末業務からやっと解放され、久々の山へ。
念願だった残雪期の立山は雷鳥沢です。
木曽駒ヶ岳宝剣山荘のお姉さんが雷鳥沢にいるので、会いに行くのが目的です。
ということで、5/2、なんとか定時に退社し、一路立山へGO!
目次
東京から車でのアクセス
国立府中インター→岡谷JC→松本→安房道路→立山駅
高速で東京からノンストップで6時間程かかります。
深夜3:30 立山駅に到着です。
ここ立山駅は立山黒部アルペンルートの富山側の最初の駅です。
黒部側からだと乗り換えが多く、大変そうなので立山からアプローチします。
駐車場
駅前の無料駐車場は駅周辺に点在していて約900台が駐車可能です。
早く到着したと思ったのですが、駅から一番近い駐車場は満車。
駅から300メートルほど離れた川沿いの駐車場に停めることができました。
実はバスとケーブルカーのチケットをWEB予約しようとしていたのですが、すっかり忘れていて、気づいたときにはすでに売り切れ。
ケーブルカー
暗い中、チケット売り場に並びます。
販売開始は始発6:00の40分前なので5:20分まで待ちます。
寒さはほどほど。フリースにハードシェルで平気でしたが、上下ダウンの方もいらっしゃいました。
すでに何人か並んでいます。
運賃は、立山から室堂まで、大人1人往復4310円です。
いよいよ乗車の時間です。
荷物は荷物用の貨車に載せます。
あ、なので車内に持ち込みたい荷物はあらかじめ身に付けておくと良いですね。
貨車にはどんどんザックやスキーを積み上げるので、外付けのピッケルやヘルメットは取り外すか、無理矢理ザックにしまっておくようにアナウンスがありました。
車内はもちろんぎゅうぎゅう。
7分で美女平に当到着です。
高原バス
通常6:40発が始発らしいのですが、6:20分と30分に臨時便が出ることになりました。
ここでも大きな荷物は荷室へ。
本当なら300円追加で荷物代がかかるはずだったのですが、無料でした。
繁忙期だからでしょうか?
快適なバスのシート。
乗車と同時に爆睡(笑)
時々周囲の人の声で気付いて大谷の写真を撮りました。
今年は19メートルの壁になったそうです。
およそ50分で室堂へ。
室堂から雷鳥沢へ
トイレを済ませ、入山届けを提出します。
提出は、よくある箱に入れるのではなく、一人ひとり手渡しで、装備やルートの確認をしてもらいます。
安心ですね。
入残届けはテン場の事務所でも提出できます。
※春山の危険!!
先週は降雪が多く、立山のあちこちで雪崩があったそうです。
気を付ける場所は斜面全てだそうです。
特に陽が高くなると雪面が緩みます。
また、バックカントリーの人に付いて行ってしまい、変な沢に入らないよう要注意ですね。
あ、もちろんビーコン、ゾンデ棒、スコップは必携です。
緊張しながら ターミナルの外へ出ると・・・
ドーン!
立山連邦!!
はぁ~。
照り輝く白銀が眩しく目に飛び込んできます。
なんでしょう?このスケール感は!
まるで別世界。
360度銀世界が広がります。
ぐるっと見回すとスタート地点がわからなくなるほどのパノラマ。
顔に太陽と雪面に反射した光が刺さり、時折冷たい風が肌の熱気をさらっていきます。
春特有のとても強い日射しで雪目にならないよう、愛用のサングラスを装着します。
雪面も緩んでいるので必要ないかもしれませんが、念のためアイゼンを装着したら、
雷鳥沢、いざゆかん!
ここからすり鉢状に、雷鳥沢まで降りていきます。
ショートカットして降りている方もいますが、雪は歩いてる間にもどんどん緩んできます。
踏み抜くと疲れるので、多くの人が歩いて踏み固めている目印のポール沿いに進みます。
テン泊装備でバランスが悪いので、ポールを持ってきましたが、緩やかな道なので無くても平気でした。
みくりが温泉。
雪がなければこの左側あたりがみくりが池のはずです。
ちょっとしたアップダウンが、楽しく身体の調子を確認できます。
さあ、がんがん行きます!
常に立山連山を見ながら歩くので、山の懐に入っていくよう。
昔の人が畏敬の念を抱いていた立山。
その雰囲気は現代でも十分感じられます。
最高だね。
雷鳥荘の屋根が見えてきました。
地獄谷の硫黄の匂いが時折キツくなり、喉が痛くなります。
硫黄のせいで雪も黄色く変色しています。
昔の人は、ここ立山に地獄があって、死んだら一度は必ず行く場所として信仰していたそうです。
死者に会うためにここを訪れることもあったそうです。
あ、眼下に色とりどりのテントが見えてきました。
ちょっと手前には頑丈なコンクリート造りの雷鳥ヒュッテが見えます。
室堂から40分ほどで雷鳥沢野営場に到着しました。
トイレと水場
まずは幕営の為、管理事務所へ。
トイレもここにあります。
この坂道が滑りやすく、トイレの度に通るので、意外と歩く訓練になります(笑)
1泊500円。
隣はトイレと水場もあります。
こんなに水が豊富なのはありがたいですね。
トイレはなんと水洗なんです!
テント設営
いよいよ設営です。
適当な場所を探してスノーブロックを積み上げます。
徹夜のせいか力が出ないしフラフラします。
それに頭痛も。
ノンストップで運転してきたパートナーはもっとひどく、まるで雪崩から掘り出されたような顔。
水を飲んでいますが、口に含んだ半分近くが漏れちゃってます。
明日のジョーのカルロスみたい(笑)
こんな身体になっちまって可哀想に。
ここは私が頑張らなきゃ!
スノーブロック積みに、スマホアプリの水平器を使おうと思ったのですが、どんどん衰弱していくパートナーを早く寝かせなければと、諦めます(笑)
パートナーにチーカマを与え、あれこれ口出しさせないよう鎮静します(笑)
ショベルは愛用のLIFELINKのやつ。
雲ひとつ無い青空。
吹くのを忘れてしまったのか、風もありません。
ジワジワと着実に高く昇っていく陽光に地球が回転していることを感じます。
がんがん掘り下げ、積み上げ、強靭な擁壁を築きます。
Tシャツ1枚でも汗だくになります。
すると!!
雪の中からコーラを発見!!
忘れ物でしょうけど、ありがたく・・・・。
なんとか整地してグランドシートはスペシャルなやつを敷きます。
グランドシートについてはこちら↓
残雪期のテン泊装備
テントの外張りは夏用にしました。
雨になったら冬用では濡れてしまうので悲惨です。
ペグは竹ペグです。
スノーアンカーでも良いですが、なんとなく竹をナタで加工している自分が好きです(笑)
それに先述のグランドシート、サーマレストのリッジレストソーライト、
ナンガのダウンシュラフ オーロラ900DXです。
服装はまた後で・・・。
テン場の混雑を予想し、目印のタルチョを張ったら、我が家の完成です。
この後、ベンチやテーブル、冷蔵庫・ドリンクホルダー(笑)を作りました。
雷鳥沢ヒュッテ
さすがに疲れたので仮眠をしたら、いよいよ雷鳥沢ヒュッテに向かいます。
ドキドキ。
はたらく車たち。
登山者が安全にヒュッテまで来れるように活躍しています。
雷鳥沢ヒュッテは立派なコンクリート作りの四階建てで、250人が収容できます。
それから、なんとお風呂に入れます!
自販機もありますし、個室は2名から利用できるそうです。
バックカントリーのお客さんもたくさんいました。
こんな大きな山で滑れたら気持ちいいだろうな。
ガスボンベとドラム缶
山小屋の何気ない光景ですが「人がいる」という、安心感でほっとします。
受け付けには凛々しいお兄さん。
ラーメンを注文し食堂に行くと、宝剣山荘のお姉さんがいました♪
タルチョやレトロな照明のおしゃれな食堂。
お忙がしい中ご迷惑だったでしょうけど、嬉しくてついたくさんおしゃべりてしまいました。
エプロン姿もかっこいい♪
ラーメンはチャーシューがトロトロで美味しい♪
食後はお風呂。
外来の人は700円で19:00まで(18:30最終受付)利用できます。
なんと!源泉かけ流しなんです。
シャワーはありませんが、石鹸もリンスインシャンプーもあります。
ドライヤーまで。
卓球台もあります!
こんな標高でお風呂に入れるなんて最高ですね。
掃除が行き届いていてキレイです。
夕食
夕食は焼き鳥缶の鍋を作ります。
作り方は簡単↓
風が出てきましたのでテント内に引っ越します。
※注意テント内のストーブ使用は換気と火事に要注意ですね。
完成!
雪山は鍋が水分も一緒に摂れるし体も温まるので一番ですね。
日が沈むと一気に冬山に変化します。
それでも氷点下にはなりませんでした。
寒い時はマイナス10℃になることもあるそうです。
シメはマルタイラーメンを投入します。
マルタイラーメンは麺が粉っぽいのでスープにとろみが付くので、私は好きです。
歯磨きをしてシュラフに潜り込んだら心地好い睡魔が。
残雪期テント泊の服装
服装ですが、上半身は、
ジオラインのロンT、
ノースフェイスのアルパインバーサマイクロフリース、
パタゴニアマイクロパフジャケット。
下半身は、
ユニクロのヒートテックタイツ、
ナンガのポータブルダウンパンツ、
モンベルのプリマロフトの象足。
テント内は薄い銀マットにサーマレストのリッジレストソーライト(銀のやつ)です。
さらに背中にホカロン。
首からハクキンカイロをぶら下げました。
厳冬期とほぼ同じ装備で、いささかやりすぎ、少し暑いくらいでした。
テント内の気温は、22:00の時点で2.6℃。
明け方まで冷え続けるとしても余裕ですね。
少し風が出てきたようです。
ギュムム、とテントが鳴り、パタ、パタ、と時折柔らかくフライが波打ちます。
この感じ。
やっぱりテントが好きですね。
外に出てみると、雪と闇がぼんやりと蛍光を帯びています。
念願の雪の立山。
明日はどこに登ろうか。
このままのんびり過ごすのもいいなぁ。
幸せな気持ちとダウンシュラフに包まれながら眠りがやってくるのでした。
二日目につづく